アイネクライネナハトムジーク 伊坂幸太郎さん

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結婚式で、本を持ち寄る演出があるんですね。

先日、「友達の結婚式で本をプレゼントするんだけど・・・何かオススメある?」と聞かれました。

 

一人一冊、好きな本を入れてもらって完成する本棚……デコボコそうですが、ステキ。

自分が持っている本や読んだことある物と被ってしまったり、持ち寄ってくれた人たちとだぶってしまったりもあるんでしょうね。それはそれで誰と誰が同じ趣味だったのかなんて想像するのも楽しい。

単純に、本をもらうってすごく嬉しいなあ、とも思います。

きっと、ちょっとした世間話のつもりで、相手は話題に出したんですが。

中馬(ちゅうまん)はだいぶ幸せな想像に浸ってしまっていたので、「アイネクライネナハトムジークですよ!間違いない!!伊坂幸太郎さんの!!!」と、食い気味に返答してしまいました。

いやたぶん、そうとう気持ち悪かった。わたしが人にプレゼントをするなら、3位以内に入る作品なんだものー。

 

 

アイネクライネナハトムジーク
伊坂幸太郎さん

 

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ここにヒーローはいない。さあ、君の出番だ。

奥さんに愛想を尽かされたサラリーマン、 他力本願で恋をしようとする青年、 元いじめっこへの復讐を企てるOL……。

 

情けないけど、愛おしい。
そんな登場人物たちが紡ぎ出す、数々のサプライズ!伊坂作品ならではの、伏線と驚きに満ちたエンタテイメント小説。

 

 

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複雑な人間模様と、爽快さが両立する。

この「アイネクライネナハトムジーク」、いちよう短編集・・・のような扱いになるのかな?

 

ミュージシャンの斉藤和義さんから作詞を依頼されたことから始まったという 「アイネクライネ」と「ライトヘビー」の2話。そこから派生……したような「ドクメンタ」 「ルックスライク」「メイクアップ」の3話。

これらの5話は、すでに発表されているお話。最後の「ナハトムジーク」だけが書き下ろしだそうです。

 

そうは思えないまとまり方なんですけどね。さすが伊坂クオリティ。

伊坂さんの魅力は、複雑な人間関係や、重いテーマを、爽快に伝えるところにあると思います。

あまりにもテンポがよくて軽い、だからすんなり入ってきてしまうけれど、読む前とは何かが変わってしまう、そんな作家さんだと思う。

 

とくに「アイネクライネナハトムジーク」は、複雑な絡みあい方。

ともすればわかりづらい・・・そう思ってしまいそうなくらい、時間軸が絡みあっているのです。

青いネコ型ロボットが、さらに青くなりそうです。

 

 

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ひもとくのは、関係性やキャラクターの個性。

キャラクターたちの過去や関係性を気づかせる方法がまだ特別。

名前で識別させるのではなく、あくまで人と人との関わり方や、キャラクターの個性で気づかせる。キャラクターたちが生きていて、感情移入しやすいので、それがすごく自然に馴染む。

 

筆者は恋愛ものは苦手……とのことらしいですが、これだけの人たちの関わり方を密接に描けるのですから、愛情ものというカテゴリーで見たら得意なのでは?と思います。

 

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抜き出してみちゃう。

昔のものが全部悪いってわけじゃない。
いいものもあれば悪いものもある。
現代の流行や常識にだって、いいものと悪いものがある。

 

なにか型にはめて正しい、間違っている、良い、悪いというのって一番楽な方法。

楽だからこそ、1番身近で、指摘するのが怖いこと。

それを公言する強さが、気持ちいい。

 

途端に、小久保亜季を許せない、という感情がわたしの内面を塗りつぶすが、一方であの時のわたしを否定してはいけない、という思いもあった。
わたしは、あの時の、仲間達に迷惑をかけぬように、しがみつく気持ちで踊ったわたしのことが、好きだ。それは間違いない。友達になりたい、とすら思った。

 

憎しみだとかマイナスの気持ちにかられても、けっきょく自分が誇れる行動ができたか――それが重要になるのでしょうね。それで自信をもてる、自分の背骨を作るのかなと思えました。

こういうことを思える久保さんと、わたしも友達になりたい。(笑)

 

 

でも、抜き出すよりも、全てを通した時の感動が大きいかも。

 

それはそうと、いじめっ子の小久保亜季さんの恋がどういった末路をたどったのか、イマイチ見つけることが出来ませんでした。

前後のニュアンスから大どんでん返しがあって、という流れなのかしら。明言しているところがあったのかなあ。

 

わたしが人にプレゼントをするなら、3位以内に入る名作です。

 

 

 

 

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