クリムゾンの迷宮 : 貴志祐介 : 繊細で丁寧なホラー。

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初めて読んだのは何年前のことでしょうか~。
たぶん6~7年はたっていると思います。

当時、わたしはアルバイトに明け暮れていました。もう、金の亡者です。

話す相手はいっしょに働いていた従業員か、お客さん。

お客さんは一期一会の間柄ばかりでした。(この期間で、ミニ中馬は人見知りをたたき治すことになります。)

 

そこで、「ホラーというか、背筋がヒヤッとするものが読みたい」と、当時働いていた店のお客さんに言ったんです。

そしたら偶然持っていた本をかしてくださったのですが、それが貴志 祐介さんの『クリムゾンの迷宮』でした。

 

今思ってもだいぶ太っ腹なお客様です。

この人が貸してくれなかったら、わたしはホラー小説は手に取らなかったかもしれません。

 

 

なんてったって、一週間ぐらい電気消して眠れませんでした。

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クリムゾンの迷宮 貴志 祐介さん

いやもう、とにかく怖かった。

怖いです。本当。

もうね、怖いの!!!

 

それまでの人生、貴志祐介さんを避けて通っていたのは正しい判断だと思いましたね。

もっぱらミステリーやサスペンス畑の人間だったのですが、いかに温室育ちだったのか思い知らされました。世間って冷たい。ホラーって怖い。

 

なにがこんな怖いのかって、恐ろしい描写なのに、また読み返したくなっちゃうことです。

 

繊細で丁寧なホラー。

恐ろしい描写、グロテスクな状況、逃げたいほどの猜疑心。

なのに、また読み返したくなってしまう。

 

それはたぶん、設定と描写がこまやかだから。

 

反復理由① 設定が細かい、伏線が絶妙

物語は主人公・藤木芳彦が目覚めることから始まる。
そこは体になじんだ安アパートではなく、地球上なのかと疑ってしまうほどの荒野だった――

ここに至るまでの記憶すらさだかではなく、藤木はもうろうとする意識の中で手元にあったゲーム機「POCKET GAME KIDS」の電源を入れる。
すると、安っぽいファンファーレとともに「火星の迷宮へようこそ」と表示された。

この場にあつめられたのは藤木だけではなく、事情を抱えた9人の人間がいた。
藤木は大友 藍(オオトモ アイ)とパートナーとなり「選択」をくりかえしていく。
その「選択」が自分を他者を生かすのか殺すのか――

不穏なゼロサムゲームの始まりを予感しながら。

 

 

といった感じなのですが、読者がゲームをプレイしているかと思うような話運び。

主人公になれるほど、細かく伏線やヒントがちりばめられています。

それが、推理できそうなできなさそうな絶妙な塩梅。ついつい怖くても読み返して、記憶に焼き付けて進みたくなってしまう。

貴志祐介さん怖いわー。(笑)

 

 

 

反復理由② 描写がキレイ。

設定でも書きましたが、舞台は地球上なのかと疑ってしまうほどの荒野

この荒野がくせもので、日本でくらしている私たちには縁のないだろう獰猛な生物や、恵みとなる自然があったりします。あとは、人為的につくられたまがまがしいものとかもね。

貴志祐介は、それらを表現する能力が非常に高いと思います。

 

貴志祐介の著書は、『十三番目の人格 ISOLA』を読んだことがあるんですけど、この時よりもその表現を余すところなく使っていると思います。

というのも、十三番目の人格 ISOLA』は現代を舞台にしていたのに対して、『クリムゾンの迷宮』は100%読者の想像力に訴える背景・・・といっても過言ではないためです。

 

そのため、とても恐ろしい場面のはずなのに、ゆっくりかみくだいて読みたくなります。読めば読むほど情景が深まる。だから、いつまでたっても怖いところを抜け出せない。

いや本当、意地悪。貴志祐介さん怖いわー。(笑)

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 貴志祐介さん好きだ。でも怖いわー。(笑)

読めば読むほど深まっていく。だから、いつまでたっても怖いところを抜け出せない。頭の中で反復される恐怖って、こんなにも怖いのだと思いました。

 

ミニ中馬が一週間、寝れなくなるだけあります。貴志祐介さん怖いわー。(笑)

 

でもね。終わってみると、単純な「選択」を繰り返していく明快なストーリーなんです。
だから突拍子もない設定だし、繊細で緻密な物語ですけど、ページをめくらずにはいられない。読みやすい話っていうのは、こういうものをいうんだと思います。

 

また、十三番目の人格 ISOLA』についても書こう!

やばいわ、こんなに思い出しちゃって、今日はちゃんと寝れるかなー。