王様のトリック : 吉村達也さん : 千葉のイオン幕張店おおきいわー。

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なんだか無性にミステリーが読みたい!

重箱の隅をつつくような偏屈は名探偵がでてくるような、
頭のいかれたマッドサイエンティストがでてくるような、
はたまた少年少女の夢を具現化した怪盗があらわれるようなものを!

 

そんな気持ちにさいなまれた日曜日、
別件で初めて千葉のイオン幕張店に訪れていました。

 

そこで出会ったのが  吉村達也さんの「 王様のトリック 」でした。

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王様のトリック 吉村達也さん

大雪に閉ざされた山奥の「奇巌城」。招待された老優・僧侶・英会話教師・推理作家・テニス選手の五人を待ち受けていたのは、真っ赤な部屋の壁に貼られた五枚のトランプと「王様のトリック」と題する死の宣告分!
≪これから殺人劇の幕が上がる。犯人はふたり。犠牲者の数は……未定≫

犯人が複数という前代未聞の雪の密室。最初の犠牲者が出て、残された四人の心理ゲームがはじまった。『ドクターM殺人事件』を改題・全面改稿。

この物語に「主人公」はいません。
王様クローズドサークルに仕掛けられた王様のトリック。
あなたはこの謎を解き明かすことができるだろうか?

 

みたいな、お話。

 

≪先に脱線≫ 千葉のイオン幕張店おおきいわー。

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いや大きかったです。
「イオンここまでやるか~」と思いました←何様

 

もう町なんですもの、ひとつの。
内装も綺麗で見やすいですし、外でやっているイルミネーションもステキでした。

 

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そして大きな本屋さんがふたつも!蔦屋書店と未来屋書店。

 

どちらも大きいぶん、文房具やインテリア、お子様が遊べるスペースも確保してありました。小説スペースも割と充実していたので、ミステリー狂いの精神状態だったことも相まって物色しました~。

あらぶった気持ちが功をそうしたのか、出会ったのは吉村達也さんの王様のトリック。

 

 王様のトリック の良さは●●がいないことだと思う。

山奥の城に閉じ込められ殺人劇の幕が開く。大雪に見舞われた城からは逃げ出すことはできない。さて、狂気に支配された殺人鬼は誰だ。

 

――という王道設定に、

・犯人は二人である
・王様のトリック
というイレギュラーな要素をポイントとした「王様のトリック」。

 

中馬の見解といたしましては、王様のトリック の良さは名探偵がいないことだと思います。

 

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個人的には犯人がふたりということよりも、個人的には主人公がいないという帯の文句に惹かれました。なんてイレギュラーなスパイスだと思いまして。

 

登場人物の顔ぶれをみれば、我先にと推理作家が舵をとって自慢げに謎を解明しそう。出だしを読めば『ドクターM殺人事件』を考案した頭の切れる編集長に出会えるし、その後に続く登場人物もクセものばかり。

誰が主導権を握ってもおかしくないんです。

この、ある種の違和感も、最後はトリックと一緒にとけます。読み終わってみれば、すがすがしいほどに主人公は不在。名探偵はいないのです。

 

なぜそんなストーリーになるのか。

 

主人公が変化する――視点が変わってどのキャラクターにも感情移入できる。そういうストーリーは多々ありますよね。

たとえば、伊坂幸太郎さんのグラスホッパー。好きです。

湊かなえさんもこの視点変化が絶妙。好きです。

 

ただ、吉村達也さんの「主人公不在」は、そういった意味ではないのです。

もちろん視点は変化します。第三の視点がほぼですが。場面も切り替わりますし、過去をあかすキャラクターもいます。

 

でも、それぞれが強烈に自我をもっているのです。彼にしか知らない事実や覚悟を持っているような。それなのに主人公となりえるポリシーや過去の描写のあるキャラクターは、その時点で死んでしまっていたり毒を抜かれていたりします。

作者も一貫して誰かにスポットライトを当て続けていないのです。誰かしらに傾くことができないストーリーなのです。

 

まとめてみると。

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生きていて、主導権を握ろうだとか主人公になろうだとかは思いませんよね。

常に自分の中だけで自分が主人公です。相手の感情の主軸になろうとは思いません。

 

でも小説となるとそれを表現するのは難しい。語り手はどうしても必要で、殺人が起きるのであればそれにいたるだけの理由がいります。謎があるのであれば名探偵が解かなくては。

「 王様のトリック」にはそれがない――あえて、物語の必需品、ミステリーの主役を外したストーリー。

 

 

またキャラクターも主人公や犯人やモブといった固定概念にしばられていません。気狂いのなせるトリックですが、どのキャラクターも誰かと関わる時間の中で変化できる自由さがあります。心情の変化も巧みに描かれていて、ある種の生々しさを感じました。

 

はっきり言って重いストーリー。どちらかというとトリックを楽しむものではなくサスペンス。(笑)

吉村達也さんは既にお亡くなりになられ、『 王様のトリック』も2005年に刊行されたものですが、とっても前衛的。

 

 

ミステリー渇望病でしたが棚からおいしい牡丹餅がふってきた。サスペンスミステリーということで賛否両論あるだろう、謎解きしたい人には微妙かも、とも思いました。

Amazonのレビューがあまりよくないのは、そのせいかしら。わたしはスゴく好きです←

www.amazon.co.jp

 

吉村達也さんの初期の作品は、トリック感が強めのよう。

ぜび拝読したい!(毎回つぎは●●読みたい!で終わってる気がする!)